2013年10月
愛媛大学医学部附属病院は,震度6強の東南海地震(広域災害)を想定した大規模災害訓練を平成25年10月27日(日)に実施しました。今回の訓練は,あらかじめ役割分担を決め,準備をして訓練に臨む従来の形式ではなく,震度6強の地震が発生した時点で,災害対策本部にスタッフが集結し,役割分担を行った後,災害に対処していくという実際の災害発生を想定した訓練としました。
大規模災害が発生した場合,病院には一度に多数の傷病者が来院することになります。そこで,患者に扮した地域の参加者を緊急度,重症度を判別し,トリアージタグをつけ,それぞれのゾーンに運び,実際の患者に対する対応と同じ方法で処置していきました。
また地震のためエレベーターが動かないことを想定し,模擬患者を担架に乗せて階段を使って手術室に運びました。しかし手術室は確保できましたが麻酔科医が足りないなどの厳しい条件のもと,怪我の程度からどの患者を優先して手術するのかなど,災害時に直面すると想定される場面に,責任者は対応していきました。
さらに,原子力発電所で負傷し傷口を放射能汚染したという想定の患者が運び込まれ,エアーテント内に設けた臨時処置室で厳重な汚染管理の下,手際よく処置していきました。一方,災害対策本部では,次々と入ってくる報告を集計分析し,被害状況の把握と対応に追われていました。
この訓練を通じて,いくつかの問題点が浮かびあがりましたが,訓練を重ねる中で克服していきたいと思います。
尚,国立大学附属病院長会議常置委員会災害対策WGの決定を受け,本年度からスタートした災害対策相互訪問事業として平成25年10月31日(木)に岡山大学の訪問を受け,マニュアル以外に,優先業務一覧など実際に被災した場合を想定した対応を定めている等高い評価を受けました。