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高度な医療の提供と
中核拠点病院としての使命を果たす

2013年12月

 岡山大学病院は最新の医療を提供するため、 血管造影装置併設の手術室(ハイブリッド手術室)や、治療中に腫瘍や血管などリアルタイムに映し出せる最先端のCTやMRI、血管撮影装置、手術中にMRI撮影を可能とするオープン型のMRI装置など最先端の医療機器を備えた総合診療棟を本年5月にオープンさせた。ハイブリッド手術室を使用した手術は、現在までに脳神経外科12例、心臓血管外科28例を含め49例を実施し、また、術中MRIを行った手術は脳神経外科で6例実施しており、最先端の医療の提供に活用している。
 臓器移植手術においては、現在、肺が119例、肝臓319例に達しており、なかでも、肺移植は、7月1日、生体では世界初であると同時に国内最年少の肺移植の事例となった、肺の中葉を母親から3歳児に移植することに成功し、10月23日には体外臓器リカバリーシステムを使った脳死肺移植を国内で初めて成功させた。
また、12月7日には、中国四国地方では初めてとなる心臓移植を成功させた。
 前立腺がんにおける新規の医療であるREIC遺伝子治療がすでに21例に及び、順調に実績を重ねるとともに、安全性が示されている。
 内視鏡手術ロボット「ダ・ヴィンチ」を用いた医療では、前立腺治療199例、腎切除10例、胃切除12例、子宮摘出5例実施しており、術後早期の退院と高いQOLを実現している。
 診療体制の充実としては、①4月に緩和支持医療科の設置、②5月に小児麻酔科の設置、③6月に従来のジェンダーセンターを中央診療施設に格上げ、④遺伝カウンセリングの開始、⑤7月には出生前遺伝学的検査を開始、⑥12月に小児放射線科、てんかんセンターを設置した。
 さらに、岡山大学病院は4月19日、厚生労働省の臨床研究中核病院整備事業の対象機関に選定さた。本事業は、日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出等を目的に、国際水準の臨床研究、難病等の医師主導治験及び市販後臨床研究等の中心的役割を担う「臨床研究中核病院」の整備を目的としており、このたび選定された岡山大学病院を含め、国内10機関が選定されている。
岡山大学病院は今後5年間、「臨床研究中核病院」として小児・稀少疾患難病等疾患別ネットワークを形成し、医師主導治験でなければ実施困難な研究の支や、国際水準の臨床研究において中心的役割を担うこととなった。具体的には、中・四国地方の基幹病院とのネットワーク(中央西日本臨床研究コンソーシアム)を活用し、200床以上の病院83施設で大規模な臨床研究や治験を迅速に実施し臨床研究メガホスピタルを目指す。9月にはその連絡会議を開催し、コンソーシアム参加病院長や実務担当者約50人が集まり、臨床研究中核病院整備事業の取組みについての講演や活発な質疑が行われた。
 10月には、キックオフシンポジウムを開催し、森田学長の挨拶、厚労省・医政局・研究開発振興課の一瀬 篤課長及び国立がん研究センター企画戦略局の藤原康弘局長から基調講演があった。また、中国・四国の国立大学病院からパネリストとして参加いただいて活発なディスカッションや情報共有を行った。これを機に、中国四国地区で連絡会を開催してはとのご提案をいただき、国立大学附属病院長会議の下部組織として設置されている臨床研究推進会議に中国四国地区の連絡会を設置することになり、11月に第1回の会議を開催し活発な意見交換を行い、臨床研究推進会議の中国四国地方におけるその役割の実質化が確認したところである。今後は、中国四国のネットワークとして、臨床研究メガホスピタルの体制を強化し、臨床研究の実施体制の確認や、標準手順書の統一化などを進める。

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岡山大学病院
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