2014年12月
医学・歯学の臨床および研究において、世界のトップを走る東京医科歯科大学では、スポーツ医歯学に基づき、スポーツ外傷・障害・疾病に対する予防及び診療と、先進的な医療技術の研究開発を推進し、スポーツ科学理論に基づき、アスリートケア・パフォーマンス向上とトレーニング技術開発など、スポーツ科学研究を推進する「スポーツサイエンス機構」を2014 年10 月より設置いたしました。
そのセンター長には現役トップアスリートで体育学博士の学位を有する東京医科歯科大学特任教授・室伏広治氏が着任しました。
スポーツサイエンス機構では、アスリートの疾病予防、診療、競技力向上、スポーツパフォーマンスなどをトータルにケアし、医師・歯科医師・理学療法士・栄養士・トレーナー・研究者の協力体制を確立して、2020 年東京オリンピック・パラリンピックを始め、各競技会への支援体制を強化してまいります。
【田中雄二郎スポーツサイエンス機構長より】
「スポーツサイエンス機構」は、「スポーツ医歯学診療センター」と「スポーツサイエンスセンター」の2つのセンターから構成され、「スポーツ医歯学診療センター」は、スポーツ医学部門とスポーツ歯学部門により、スポーツによる外傷、使いすぎなどの過労性障害(いわゆるオーバーユース)のほか、運動誘発性喘息などの内科的疾病や、歯科領域のスポーツ外傷・障害についての診療を目的とし、アスレティックリハビリテーション、高気圧酸素治療、マウスピース・フェイスガードなどの、本学として特徴的な医科・歯科の幅広い診療も十分に活用してまいります。
「スポーツサイエンスセンター」では、スポーツ科学と、運動機能評価を基本としたトレーニングによるアスリートケアを行います。スポーツ科学理論に基づく動作解析研究やトレーニングプログラムの開発などの新たな研究事業を展開し、アスレティックリハビリ
テーションと連携することにより、高いレベルのパフォーマンス実現や、外傷・障害予防のアスリートケアの取り組みを行います。
2つのセンターを設置し、有機的に連携することで、アスリートに必要なトータルケアを一体的に提供するだけでなく、スポーツ関連の基礎研究、臨床研究や人材養成等の教育を行ってまいりますので、皆様の暖かいご指導とご支援をお願いいたします。
【室伏広治スポーツサイエンスセンター長より】
スポーツサイエンスセンターでは、アスリートの高レベルの競技復帰のサポートと、パフォーマンス向上のためのサポートを行っていきたいと考えています。スポーツ科学と運動機能評価を基に、理論と経験に基づくトレーニング方法を教授します。外傷・障害
予防のためのアスリートケアを行い、トレーニングによる疲労を回復させると共に、アスリート自身の自己管理能力の向上を図ります。そして総合的に、より高いパフォーマンスを維持し選手寿命の延長につなげていきたいと思います。
また、動作解析研究や、トレーニングプログラム開発を進め、次世代のアスリート支援につなげていきたいと考えています。
国内外のスポーツ関連組織・団体・施設との連携を図り、現在第一線で活躍している選手だけでなく、ベテラン選手の運動機能の回復と向上、これから活躍が期待される若い選手に対しても積極的にサポートを行い、2020 年東京オリンピック・パラリンピックで一つでも多くのメダルを獲得できるよう貢献したいと思います。
【柳下和慶スポーツ医歯学診療センター長より】
本学のこれまでの実績を充分に活かし、医師・歯科医師、理学療法士、アスレティックトレーナー、栄養士などの連携を深め、より充実したアスリートのサポートとトータルケアを目指します。さらに、スポーツサイエンスセンターのスポーツ科学との緊密な連携のもと、受傷メカニズムの解析や予防プログラムの開発に取り組み、本学から発信する新たなスポーツ医歯学・スポーツ科学の展開を目指します。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。