2014年2月
筑波大学附属病院小児集中治療センターの平松祐司 教授(心臓血管外科)、高橋実穂 診療講師(小児科)らのグループが、極低出生体重児の段階的心臓修復手術に成功しました。県内では最小体重であり、全国的・世界的に見ても報告数は僅かです。小児集中治療センター1)の機能を駆使しての先進的・集中的小児循環器チーム医療が奏功しました。
平成26年1月には、報道機関向けの報告会を行い、参加した報道関係者からは多くの質問が寄せられ,関心の高さを表していました。
【患者】
体重1,100gで出生した心室中隔欠損症および動脈管開存症の女児
【経過】
・生後間もなく心不全に陥り姑息的な手術を余儀なくされ、繊細な技術と管理とを要し危険度も高い極低出生体重児の姑息手術を行う。
・一時重篤な循環不全に陥り状況が危ぶまれたが、内科的管理が奏功し成長が得られる。
・体重2,700gに達した4か月後に根治手術を行う。
・術後は補助体外循環装置を6日間装着するなどの極めて危機的な状態に陥るが、奇跡的な回復を遂げ、根治手術から3か月後に後遺症なく退院。
1)小児集中治療センター
2013年1月に新設。小児集中治療機能に特化した診療ユニットとして、安全で質の高い小児集中治療および救命救急医療の提供を目的とする。厚生労働省の小児救命救急センター事業に指定された施設としては、全国で8番目、国立大学附属病院では2番目。小児重症疾患や侵襲度の高い手術後の集中治療管理を日常的に行いながら、茨城県を中心とする広域小児救急医療システムの中核施設のひとつとして、24時間体制で3次救急医療機関からの搬送を受け入れ、高度の小児救命救急医療を展開する。