2013年12月
10月20日(日)、第9回市民公開講座「あなたの目年齢を若く保つために」を開催しました。悪天候の中、1,000人を超える方にご来場いただき、会場はほぼ満席となりました。足をお運びくださった皆さま、ありがとうございました。
第一部の野村克也氏による基調講演では、東北楽天ゴールデンイーグルスがクライマックスシリーズで奮闘する中、ご自身の野球人生についてお話を頂きました。会場は笑いに包まれ、終始穏やかな雰囲気のもとあっという間の1時間となりました。講演終了間際には、サプライズゲストとして角盈男氏が登場。野村氏のサインボールが当たる抽選会で会場がさらに盛り上がりました。
第二部の教育講演では、当院眼科の横倉俊二講師が「近視のウソ・ホント」と題し、近視の予防法やレーシックによる近視の治し方などについてお話しました。さらに、宮城県におけるアイバンクの現状や必要性を説明し協力を呼びかけました。
次に、丸山和一講師による講演「見づらいと感じたら」では、ドライアイなどを防ぐ秘訣に加え、白内障や緑内障、加齢黄斑変性の症状について見え方の画像を用いて分かりやすく説明しました。特に緑内障は自覚症状がないまま進行すること、また、眼は全身状態を反映する「体の鏡」であることから、定期的な眼の健診の大切さを訴えました。
最後に、中澤徹教授が「眼からウロコの眼科トピックス」と題した講演を行いました。近年、緑内障による失明が増加していることを挙げ、今後も高齢化や電子機器利用拡大により眼の病気が増加する可能性があることを説明するとともに、遺伝子診断や再生医療など、未来の医療技術について紹介しました。失明は社会的な影響が大きいことから、眼科は最先端医療技術の導入が早い分野と言われています。講演では、口の粘膜からの角膜再生やiPS細胞を用いる治療法等の研究が急速に進んでいること、さらに未来の医療として顕微鏡下での遠隔ロボット手術の可能性などについて興味深い話題を取り上げました。当院眼科では、下瀬川病院長、中澤教授のリーダーシップのもと、失明撲滅を目指して病院が一体となって新しい治療法・薬の開発を推進していることを紹介し、教育講演を締めくくりました。
角氏を交えたトークセッションでは、中澤教授から「バッターを見て、打ちそうな選手は眼を見て分かりますか?」、下瀬川病院長から「動体視力を鍛える方法は?」などの質問があがり、眼とスポーツのお話が楽しく繰り広げられました。
本講座では、講演会の他にも、東日本大震災の被災地で活躍した眼科診療車両「ビジョンバン」の見学・体験や、OCT(光干渉断層計)による画像診断、盲導犬体験など、様々なイベントを同時開催し、多くの来場者にご参加いただきました。第9回市民公開講座は、眼の大切さを改めて考える一日として、盛況のうちに終了しました。
次回、第10回市民公開講座は、平成26年6月28日(土)13:00〜国際センターにおいて「WOCって?もっと知ってほしい排泄ケアとスキンケア」を開催致します。次回もぜひお越しください。