平成27(2015)年4月24日、平成27年度第1回目の国立大学附属病院長会議常置委員会を、東京医科歯科大学M&Dタワーで開催いたしました。それに伴い、常置委員会で取り上げられた議題・報告事項等の中から、「平成26年度国立大学附属病院の収支状況について」および「大学病院の医療における『医の倫理』について」に関する具体的な内容を定例記者会見にて、常置委員長・千葉大学医学部附属病院長の山本修一より、ご報告させていただきました。
平成26年度国立大学附属病院の収支状況について
平成26年度の全国42大学、45病院の決算見込みは、消費税の引き上げによる影響で、全体で約83億円の赤字(一病院あたり約2億円の赤字)、そのうち消費税増税による影響額が約55億円(一病院あたり約1億3千万円)と、赤字額の約70%を占めることが平成27年4月23日時点での暫定値として算出されました。この影響で設備備品の購入金額が消費税増税前に比べて約35%も減額せざるをえない状況に陥っております。国民の健康長寿に貢献し、優秀な医療人材を育成し、さらに国際的な評価の高い医学研究に取り組むという使命を果たすために、各病院は健全経営を目指して努力しておりますが、このままでは人件費および設備費などへの投資の確保ができず、病院運営に重大な影響を及ぼすことになります。
大学病院の医療における『医の倫理』について
昨今、大学病院において、診療に関わる「医の倫理」の欠如が起因と思われる事例があり、患者・ご家族に多大なご迷惑をお掛けするとともに、国民に対して不安を与えているため、国立大学附属病院長会議として「医の倫理」に係る教育、診療における患者人権保護の管理体制について、社会へ説明する責任があると考え、今後「提言」を取りまとめ、公表する予定です。