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国立大学附属病院長会議

平成27年10月2日 定例記者会見を実施

国立大学附属病院長会議では、平成27年度第3回常置委員会終了後に定例記者会見を開催いたしました。説明内容は以下のとおりです。

【日時】 平成27年10月2日(金)17:10~17:50
【場所】 東京医科歯科大学 M&Dタワー26階 ファカルティラウンジ

【発表内容】

1.国立大学附属病院関係要望事項について(「大学病院を支援する議 員連盟」及び関係省庁等への要望)

① 平成28年度国立大学附属病院関係予算の充実
国立大学附属病院がそれぞれの強み・特色を活かした教育・研究・社会貢献の活動を推進し、着実にその取組みを実行できるよう国立大学法人運営費交付金の確実な措置を要望しました。また、国立大学附属病院が患者に安心かつ安全な医療を提供することができるよう、施設及び設備の整備に必要な財政支援の充実並びに平成28年4月に設置される大学改革支援・学位授与機構においても、施設及び設備の整備を行うための施設費貸付事業の実施及びそのための組織体制等の充実を要望しました。さらに、国立大学附属病院長会議が取りまとめた将来像及び毎年の行動計画に基づき実施する、新たな地域医療提供体制や安全な医療提供体制の構築、高難度医療の確実な実施に向けた体制の整備及び国際的にも信頼される臨床研究の促進などの取組みに対する必要な財政支援を要望しております。

② 特定機能病院の機能を維持するための新たな財政支援の創設
平成26年4月の消費税率8%への引き上げにより、診療報酬体系上、一定の措置が行われましたが、高額投資への対応がなされていない上に、その他の診療経費への対応が不十分なため、国立大学附属病院では、多額の消費税の補填不足が生じています。平成26年度決算では、国立大学病院全体での消費税増税による病院未補填額は約54億円となっています。このため、各病院は医療機器に対する投資を大幅に抑制(平成26年度168億円(対前年度△87億円減(約34%減))せざるを得ない状況となっております。このような状況では、高度医療の実施機関あるいは地域医療の最後の砦として国立大学附属病院が果たしている使命・役割の実現ができず、結果として、国民に不利益を与えることになることを説明しました。そして具体的には、「関係省庁の一般財源と消費税を財源とした新たな基金の設置による設備投資への補助」、「医療機関の規模や機能に応じた診療報酬体系の見直しによる高度な医療を提供する特定機能病院としての環境整備と機能維持」について要望しました。

③ 平成28年度診療報酬改定における適正な評価
国立大学附属病院が担う高度医療の提供や地域医療の最後の砦としての機能を充実させるためには、診療報酬の適正な評価が必要であります。特に今回は、「処置・手術の休日・時間外・深夜加算1の施設基準の緩和」、「医師事務作業補助体制加算の適用等」、「短期滞在手術等基本料3の見直し」、「特定集中治療室(ICU)の施設基準要件の見直し」の4点について要望書にまとめ、提出いたしました。

2.その他

① 企業等からの資金提供状況の公表
当会議が策定した「企業等からの資金提供状況の公表に関するガイドライン」では、企業等からの資金提供状況について、当該年度 分を、当該事業年度の財務諸表を文部科学大臣に提出した後に公表することとしておりますので、各国立大学附属病院ではガイドラインに 基づき、平成26年度分の「企業等からの資金提供状況」を今年6月下旬から順次、病院ホームページに公表しております。

② 診療体制及び医療安全管理体制に係る相互訪問
大学病院で発生した診療に関わる「医の倫理」の欠如が起因と思われる事例により、臨床研究や高度な医療の実施に関して 国民が不安と疑念を抱く不幸な事態となっているため、国立大学附属病院長会議は、このような不幸な有害事象を二度と再発させないため に、大学病院が整備すべき職業倫理、診療体制、及び、医療安全について、平成27年6月19日付で「国立大学附属病院における職業倫 理、診療体制、及び医療安全に関する緊急提言」としてとりまとめ公表しました。この緊急提言をふまえ、病院長のガバナンスの下、倫理 教育の徹底、診療体制の強化等の取組を進めておりますが、その取組を一層確実なものとするため、平成28年度、新たに「診療体制及び 医療安全管理体制に係る相互訪問」を実施する予定です。具体的な内容は、11月初旬に公表される予定の厚生労働省「大学附属病院等の 医療安全確保に関するタスクフォース」の取りまとめ結果を踏まえつつ、今年度内に、訪問の際の観点・実施体制等の詳細を検討し、各国立大学附属病院が相互に訪問してチェックを行い、その結果は 平成28年内に報告書として取りまとめる予定です。

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