平成30年4月24日 「第1回常置委員会記者懇談会」を開催
平成30年4月24日(火)「平成30年度第1回常置委員会」を開催しました。同日開催した「第1回常置委員会記者懇談会」では、ここで決議・報告された中から、特定機能病院間相互のピアレビュー、平成31年度国立大学附属病院関連要望事項骨子案、各大学病院の取り組み事例についてご報告させていただきました。
【特定機能病院間相互のピアレビューの実施】
国立大学附属病院長会議では、特定機能病院である国公立大学附属病院における医療安全管理の改善のため特定機能病院間相互のピアレビューを実施しております。ピアレビューは、「自己チェック」と「訪問調査によるチェック」があり、医療安全管理体制担当校である大阪大学が中心となり、実施要項、評価項目等を策定。平成30年度は国立大学附属病院及び防衛医科大学校病院グループ(43病院)に、新たに公立大学附属病院(8病院)が参加し、51病院間で実施する予定です。平成30年7月頃より各大学病院への依頼を開始し、9月末ごろまでに「自己チェック」の結果を提出。訪問調査を9月~11月下旬まで実施し、調査結果は平成31年4月に報告書として取りまとめられる予定です。
【平成31年度国立大学附属病院関連要望事項】
国立大学附属病院を取り巻く厳しい経営状況は変わらず、消費税増税による影響も深刻化しています。また、医師の働き方改革が検討されている中で、医療イノベーション創出を担う大学病院の臨床系教員の教育研究活動を推進する視点も重要となっています。このような厳しい状況の中で、質の高い医療を持続的に提供するため、そして国立大学附属病院のミッションを確実に果たすため、以下のようなよう要望事項の骨子案をまとめました。この内容は平成30年6月に開催される国立大学附属病院長会議総会の場で決議された後、政府、関係省庁、地方公共団体などに提言する予定です。
●消費税補填不足に対する抜本的な対応
●国立大学附属病院関係予算の確保・充実
●大学病院の医療安全等の強化に向けた支援の充実
●大学病院の臨床系教員の働き方改革
【グランドデザインに基づく国立大学附属病院の取り組み事例】
国立大学附属病院長会議では、10年先の将来を見据えて戦略的に行動するための指針「グランドデザイン」を平成28年に策定し行動を開始しています。その具体的な4つの取り組み事例をご紹介しました。
◆教育
千葉大学医学部附属病院 アテンディング(教育担当教員)のパフォーマンスに関する客観評価の実施 千葉大学医学部附属病院では、臨床教育の質保証、教育力を強みとした優秀な人材確保を目的として、卒後10~15年程度の専門医資格を有する特任助教「アテンディング(教育担当教員)」を配置しています。さらにアテンディング自身のキャリア形成の促進・支援の一環として、アテンディングのパフォーマンスに関する客観評価を実施しています。
◆地域医療
筑波大学附属病院 地域医療提供体制の構築~医師不足地域における地域医療体制の整備及質的向上~ 筑波大学附属病院では、地域医療の崩壊という喫緊の課題に対応すべく、地域医療再生プランを設定し、その一つとして、行政機関、医師会等と連携し、二次医療圏ごとに地域医療教育センター等を設置し、教員を配置することにより、地域医療体制の整備及び質的向上への寄与を目的に取り組んでいます。
◆国際化
徳島大学病院 日本モンゴル教育病院運営管理及び医療サービス提供の体制確立プロジェクト 徳島大学病院では、モンゴル国における保健医療人材の卒前・卒後研修の拠点及び高度医療サービス提供の拠点となる教育病院設立に向けた「日本モンゴル教育病院運営管理及び医療サービス提供の体制確立プロジェクト」を平成29年度から開始しています。
◆運営
東京大学医学部附属病院 病院経営における委託費管理手法の構築 東京大学医学部附属病院では、平成30年1月の新入院棟の稼動開始に伴う委託業務量の適正化を図る目的で、国立大学病院管理会計システム(HOMAS2)を用いて分析した結果、清掃業務などを中心に約8%の効率化が実現できました。
【第72回 国立大学附属病院長会議 総会について】
平成30年6月21日~22日に、「第72回 国立大学附属病院長会議 総会」を茨城県つくば市で開催します。特に注目されているのは参加病院を3つのグループに分けてラウンドテーブル形式で行われる「グループディスカッション」で、①新専門医制度、②働き方改革、③臨床研究支援体制の3つのテーマについて、話し合いが行われます。
国立大学附属病院長会議とは…
国立大学附属病院長会議は、大学附属病院、医学部附属病院(医学部・歯学部附属病院を含む)、歯学部附属病院、附置研究所附属病院の42 大学45 病院が会員として参加している組織です。